最近観たもの 読んだもの
ポージヱスト
最近見た映画のうちでは、ポージエストを最も感銘深いものに思ひました。あれは立派な探偵映画で御座います。はじめにミステリーを示して、後にその解決をつけて行くところ、何ともいへぬいゝ味だと思ひました。
たゞはじめに示したミステリーの画と■(※1)後にそれを解決した画が、全然同じ物でないのは少し気になりました。写真としては意味さへ同じならば変化のあつた方がよいといふ考で行はれたのかも知れませんが、これはやはり同じものであつてほしいと思ひました。
(※1)原文一文字空白。
底本:『文芸公論』昭和2年6月1日発行
【書誌データ】 → 「小酒井不木随筆作品明細 1927(昭和2)年」
【著作リスト】 → 「雑誌別 小酒井不木著作目録(評論・随筆の部)」
(公開:2005年9月13日 最終更新:2020年4月5日)