インデックスに戻る

山口兼好氏宛封書(『紅蜘蛛奇譚』観劇会案内)

拝啓 名古屋在住の作家として知られたる、医学博士小酒井不木先生の探偵戯曲『紅蜘蛛奇譚』が、来る一月十五日(※1)から新守座(※2)河合武雄、小織桂一郎、(※3)合同一座により上演されることとなつたにつきまして、平素小酒井博士を敬慕し、その芸術的作品に無限の愛着を感じて居る吾々が発起して、その観劇会を開催する計画を立てました、貴下及び御家内方の御賛成をお願ひ致します。(尚準備の都合も有之十四日迄(※4)に御返事を願ひます)

日時 一月十六日(※5)(日曜日)午前十一時より
場所 新守座(※6)(前茶屋松山から御入場、特等席(※7)へ)
会費 金一円八十銭(※8)(茶、火鉢、座蒲団、案内料共)「当日御持参の事」

発起人
國枝史郎 小林橘川 松波寅吉
山田不二夫 阪谷俊作 寺田榮一
小川善三郎 加藤博 鈴木塚三郎
稲川勝二郎

(宛名)

知多郡大高町
山口兼好様

(差出人)

市内西区桶屋町四丁目
新守座内
不木軒後援会

(※1)(※2)(※3)(※4)(※5)(※6)(※7)(※8)原文太字。

底本:山口兼好氏宛封書(封筒および内容物)コピーより翻刻(提供:藤原正明氏)
消印不明瞭につき投函日は不明、内容から1927(昭和2)年1月と推測

(公開:2024年10月8日 最終更新:2024年10月8日)