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(編者の言葉)

石田元季

 故人の句稿手控などから、この二百十句を抄録し、大体、時候天文地理人事動物植物の順に序列いたしました。そして、那須茂竹氏の示教によりて、次第を定め、遺ちたるを補ひ、就正の句を載せることを得ました。句に旧作あり近業あるはもとよりでありますが、俳道に一家の見を持たれた故人として、集句上にも種々の考があったことゝ想はれます。忽忙の間とはいへ、疎漏の点多からんは、故人に対して深く謝せねばなりません。巻末の二十六短句も、故人の手録に拠り、故人が時々木下杢太郎氏等の諸家と共に試みられた連句の面影を偲び、故人独特の異彩を窺ふべきものとして附載いたしました。

 昭和四年五月二十日     石田元季

底本:『不木句集』(私家版・昭和4年5月刊行)

【書誌データ】 → 「小酒井不木随筆作品明細 1929(昭和4)年」
【著作リスト】 → 「雑誌別 小酒井不木著作目録(評論・随筆の部)」

(リニューアル公開:2008年1月1日 最終更新:2008年1月1日)