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『慢性病治療術』(人文書院)序文

 

 慢性病治療術と申しましても、他人の慢性病を治療する術を説いたものではなくて、主として、慢性病者が如何に自分の病気に処して行くべきかを説いたのであります。なほ慢性病の一々について、之れに処して行く道を説いたのではなく、たゞ一般的なことを説いたのに過ぎませぬから、慢性病者は私の説くところを参考として、自分自身に自分の慢性病を治療する工夫をこらしてほしいと思ふのであります。

 昭和二年二月 小酒井不木

 

底本:『慢性病治療術』(人文書院・昭和3年5月)