VIRUS 日本ウイルス学会 3巻2号 1953年5月10日発行
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大阪に赴任されてからもこの考え方が変らなかつたから,上月・笠原両博士に「羽里君ができたことを君らができないのは………」と歎かれもし,突然訪問してきた級友小酒井光次(不木)博士に,例の写真をみせて意見をもとめたことがあつた.「小酒井君は,『これが牛痘の病原でないと誰が言えるのか?』と言いましたよ」とその日先生が話されたものだつたが,Koch の原則の第一にあげられている「あらゆる症例に…………」の普遍性の項がみたされないからだと小酒井博士には答えられたのであろう.