参考文献/資料集 1924(大正13)年

(公開:2007年2月13日 最終更新:2019年5月23日)
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7月

序 / 長尾藻城

『西洋医談』 小酒井光次 克誠堂書店 大正13年7月18日発行

 私が光次としての小酒井博士の名を初めて知つたのは、まだ東京大学の生理学教室に研究してゐられた時である。名を聞て顔を識らず、見ぬ恋に憬れてゐた。それは博士が医学以外に文学の造詣が深いといふことを伝聞してゐたからである。なほそればかりでなく、其教室の主任たる教授永井先生と私とはふとしたことから懇篤の知遇を得て平常私淑敬慕してゐたので、小酒井博士が其門下にゐらるゝといふことも、一層のなつかしさを深うした。しかし時到らずして相遇相逢ふの機会を得なかつた。
 爾後博士が欧米留学の途に上らるゝ時、偶然にも私が一友人の外遊する者を見送つて横浜埠頭に至つた際、春洋丸の甲板上で、多年渇仰の的になつてゐた博士に刺を通ずる光栄に浴した。一見さながら十年の旧知の如く、手に手を取て打喜び、相立むで紀念の撮影などをしたことが、今猶ほありゝゝと私の記憶に残つて居る。思へば奇しき因縁といはねばならぬ。こゝに交際の緒が開かれて、博士の外遊中、知人と合作の絵葉書などを投ぜられたこともある。

8月

私の要求する探偵小説 / 平林初之輔

『新青年』 8月増刊号

(前略)近頃は仕事が忙しいので余り探偵小説を読んでゐるひまがない。それでも病気などになつて堅い本を読めなくなると必らず探偵小説を手にする。『新青年』や博文館や金剛社あたりで出してゐるシリイズは大抵よんでゐる。ことに小酒井博士の書いたものなどは手にはひつた範囲では読みおとしたことがない程愛読してゐる。

9月

編輯者より

『東京』 9月号

小酒井先生の「変態心理と犯罪のいろいろ」は、本号に出ましたのはほんの序に止まり、編輯上の都合で第一回分として書かれた物を全部載せられなかつたのは残念でした。先生の此方面の御研究と趣味の深く且つ広いことは世に定評があります。次号以下種々の方面の材料により実例によつて興味津々たる好読物を、連続御執筆下さることになりました。差し当り次号には迷信による犯罪を描いた文学として有名な、文豪セエクスピヤの傑作マクベスにつき、犯罪心理方面から面白く解説批評されたものが掲載されます

10月

不木軒書屋訪問記 / 病竹浦

『医学及医政』 10月号