「恋愛の極致」小酒井不木
「五階の窓」 = 懸賞附
合作長篇探偵小説
次号誌上より連載
本誌の新しい試みとして長篇合作小説を次号誌上より連載す。執筆者は下記の六氏。各執筆者の間に何等の予備的交渉なき点に又江戸川氏第一回の後をうけて必ずや紛糾錯雑を極むべき怪事件の解決者が小酒井博士である点に、特に読者諸君の興味多かるべきを思ふ。尚犯人捜し懸賞規定は次号に発表。
(執筆者)江戸川乱歩
平林初之輔
森下雨村
甲賀三郎
国枝史郎
小酒井不木
うらなひ夜話 小酒井不木
人類の先祖から今に到る迄、ろうとして抜く能はざる根強い力を持つてゐるものは、人間の迷信である。其処に附込んで、いかなる国に於ても、その民族発生時代からうらなひといふものが発達して来た。これは科学の発達と同時に影響を秘めるべきであるのに、我々は却つてそれが日増しに盛んになつて行くのを感ずる。この神秘なうらなひなる物について書かれたのがこの一大随筆、五十枚の大物にして銷夏の読物として最も適当なる物であると信じる。
◆『恋愛曲線』の中にあるあの熱と力とを、諸君は何と見られるであらう。あの作品のあの熱と力こそは、探偵文壇を一躍読物界の寵児たらしめたと言つても敢て過言ではなからう。小酒井不木氏、ここに再び筆を新にして熱と意気の結晶たる力作五十枚を寄せられる。これこそ昭和三年度に於ける最初の、そして最大の収穫であらねばならぬ。題して
毒を解く(五十枚)
御期待を乞ふ次第である。
合作長篇小説 飛機睥睨 第一回 五大作家
江戸川乱歩、土師清二、長谷川伸、国枝史郎、小酒井不木、この比ない顔触でしかもそれが全く世にありふれた連作小説なぞの形式ではなく、純然たる合作長篇小説だと云ふのですから、現像するだけでも、全く驚嘆するの外はないと思ひます。
こんな素晴しい企てを試みることが出来たことをば、我々は限なく誇りに、また幸福にさへ考へてゐる次第です。
何卒、すべての期待をお賭け下さるやうに念じます。