『新青年』 昭和2年8月号
◆闇に蠢く 江戸川乱歩 ◆疑問の黒枠 小酒井不木 (前略)後者は今更こゝに喋々するを必要としないだらう。その緻密な筋の組立ては小酒井氏にして始めてなし得るところ、日本に於ける最初の長篇本格探偵小説といふ意味からでも、是非一本を手にして戴きたい。共に定価一円二十銭である。