書評・新刊案内

(公開:2006年1月23日 最終更新:2006年1月23日)
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『趣味の探偵談』

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『新青年』 大正15年2月増刊号

趣味の探偵談 小酒井不木著
 中央公論や大阪毎日新聞紙上に掲載された博士の趣味的雑文を一冊にまとめたものである。いづれも肩のこらぬ興味深き読物ばかりであるが、中にも犯罪と探偵の進歩を説いた「犯罪探偵の今昔」や、探偵犯罪に関する挿話的物語を集めた「犯罪探偵茶話」、「世界裁判奇談」などは、探偵小説を読む以上に面白いものである。とに角、内容の豊富にして興味多き「趣味の探偵談」といふに反かず、探偵小説の愛読者は必ずや一本を携ふべき好著である。(三八三頁一円五十銭 兵庫県川辺郡伊丹 黎明社)

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『探偵趣味』 大正15年4月号

――「趣味の探偵談」小酒井不木著。四六版三百八十余頁、一円五十銭、兵庫県伊丹町黎明社発行。小酒井博士が得意の探偵談である。内容は犯罪探偵の今昔、犯罪探偵茶話、趣味の犯罪探偵談、科学探偵談の四項に分ち、東西の実例を比較併記して興味つきざるものがある。いろゝゝの点で教へられることが多い。探偵趣味愛好者は元より作家に取つても必須の参考書であらう。